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慶應義塾大学(通信教育課程)の学習方法・スクーリングを徹底解説

アイキャッチ

ここでは、慶應大通信の学習方法や卒業までの流れについて解説します。

慶應通信はテキストとレポートによる学習が中心です。スクーリングは映像授業もありますが必ず通学が必要であり、東京と横浜のキャンパスで開催されます。

また、卒業論文の提出が必修であり、その指導とあわせて最低でも1年半の期間を要します。

このような厳格な学習形式を保っているため、卒業率が低く在籍年数も長いという特徴があります。その難しさの特徴を見ていきましょう。

学習の流れと卒業要件

卒業までの流れ

慶應通信の基本の学習はテキスト学習で、これは配布されたテキストを読み、レポートをまとめ、科目試験を受けるという独学ベースの方法です。

一方、スクーリング(面接授業)も行われ、東京・横浜のキャンパスに行き、対面で授業を受けます。スクーリングによる単位修得も一定数必要となります。

メディア授業(映像授業)も行われており、10単位を上限にスクーリング単位として数えることができますが、これは必修ではありません。スクーリングよりも費用が高い点や、テキスト学習と同等の科目試験を受ける必要があるなどといったハードルがあります。

また、慶應大通信は卒業論文が必修となっており、最低1年半のプロセスを踏む必要があります。このような厳格な学習の末に、卒業資格を手にすることができるといった流れになっています。

卒業要件

総合教育科目:48単位以上
専門教育科目:68単位以上
卒業論文:8単位

慶應通信の卒業要件は上記の合計124単位をみたすこととなっています。
また、スクーリングは30単位以上必要であり、テキスト学習も合計64単位以上必要などといった条件があります。

テキスト学習

慶應通信の学習は、テキストによる学習がメインとなります。

大学から送られてくるテキストで各自学習し、与えられた課題についてレポートを提出した後、科目試験を受験します。レポートと科目試験の両方に合格した時点で単位を修得するという流れです。

この方法で、最低70単位程度の単位を取得する必要があります。

テキストの配本 テキスト学習 レポート提出 レポート合格 科目試験受験 科目試験合格 単位修得

レポートは不合格の場合は添削後に返却され、再度提出します。科目試験は事前に申し込みが必要ですが、該当科目のレポートを提出していれば不合格になっても何度でも受験できます。

テキストについて

学習方法

テキストが配本された後に、補助教材「テキスト科目履修要領」でポイントを確認しながら自宅学習を行います。

テキストの形と分量

配布されるテキストはA5サイズで、1科目につき1冊です。
1単位あたり75ページ程度で、2単位科目なら150ページ程度、4単位科目なら300ページ程度となります。

テキストの配本

テキストは大学側の計画に基づいて送付され、履修登録は不要です。

市販書籍

科目によっては市販の書籍を使用し、別途購入する必要があります。

電子版テキスト

一部のテキストは、配本されるテキストに加え、スマホ・タブレットから電子版のテキストも閲覧可能となっています。

レポートについて

作成方法

テキストによる学習の終了後、「レポート課題集」にて出題されている課題のレポートを作成します。提出後は担当教員が添削指導し、不合格の場合はそのコメントをもとに、再び提出します。レポートの返却には1ヶ月程度かかります。

文字数・難易度

1単位科目は2,000文字以内、2単位科目は4,000文字以内の文字数制限があります。科目によっては何度も不合格になるものも多く、合格難易度が高いと言えます。

提出方法

レポートは郵送で提出する科目とWebで提出する科目があります。なお、レポートは手書きで作成が求められる科目もあります。

補助教材

塾生ガイド

入学から卒業までの学習方法や手続きのしかたを解説しており、毎年在学生全員に配布されます。

レポート課題

毎年度はじめに在学生全員に公開され、2年間有効です。この課題を見て、その年度か次の年度のレポートを作成します。

学習の手引き

学習計画の立て方・テキスト学習・レポートの作成などを解説しています。

三色旗

広い教養を身につけ、学習に役立てるための記事が載っている雑誌で、隔月発行されます。

科目試験について

実施日

科目試験は年4回行われ、1回につき土曜日と日曜日に3科目ずつ行われます。したがって、最大で6科目まで受験することができます。

実施場所

科目試験は1回に10都市程度で実施されます。東京では必ず実施されますが、その他の都市では毎回実施されるとは限りません。

2025年度の実施実績

2025年度は以下の表のスケジュールで科目試験が実施されました。
第1回は8都市、第2回は12都市、第3回は8都市、第4回は14都市です。

実施地第1回
4/5・4/6
第2回
7/5・7/6
第3回
10/4・10/5
第4回
1/17・1/18
札幌●●●●
盛岡●
仙台●●●●
東京●●●●
宇都宮●
新潟●
長野●
静岡●●
名古屋●●●●
富山●
金沢●
大阪●●●●
神戸●●
岡山●
広島●●●
松山●
福岡●●●●
熊本●
鹿児島●
那覇●

形式・難易度

科目試験の時間は1科目あたり60分で、A4用紙1枚程度の論述試験となっています。レポートの難易度に対して、科目試験の難易度は比較的低いようです。

スクーリング(面接授業)

単位修得のための代表的な方法として、スクーリング(面接授業)があります。決められた時期に集中的に授業を受けるなどして、スクーリング試験に合格することでその科目の単位を習得できます。

履修申告 スクーリング受講 スクーリング試験受験 スクーリング試験合格 単位修得

実験や実技が必要な科目、演習を行う科目などはスクーリングが必要になります。また、卒業までにスクーリングによって修得しなければならない単位数も定められています。

スクーリングにはいくつかの種類があり、開講されている科目を選択し、履修することとなります。いずれの場合も、通学課程の教員によって、通学課程と同じ内容の授業が行われます。

なお、スクーリングは東京の三田キャンパスと横浜の日吉キャンパスで行われるため、地方在住者は期間中に遠征する必要があります。

スクーリング単位数の上限と下限

卒業までに必要な単位数

普通課程:30単位
特別課程:22単位
学士入学:15単位
(特別課程は高専卒・短大卒や大学中退者を対象にした課程、学士入学は大卒者を対象にした課程です。)

卒業までにスクーリングで修得しなければいけない単位数が決められています。
これは国が定めた基準であるため、どの大学でも同じです。ただし、映像授業をスクーリングとすることによって通学不要で卒業可能とする大学も増えてきています。

なお、動画配信で受講できる「メディア授業」は10単位を限度にスクーリング単位に数えることができます。これは後ほど解説します。

単位数上限

総合教育科目:人文科学・社会科学・自然科学分野では12単位まで
専門教育科目:全学部28単位まで

卒業するための単位に数えられるスクーリング単位数には上限があります。

一般教養にあたる総合教育科目では卒業までに合計48単位必要ですが、そのうちスクーリングで修得できるのは12単位までです。
また、専門教育科目では卒業までに合計68単位必要ですが、スクーリングによって修得できるのは28単位までです。

このように、スクーリングで修得する単位数には下限だけでなく上限も設定されているため、スクーリングでひたすら単位を積み上げて卒業する、ということはできない仕組みになっています。

費用

スクーリング受講料

スクーリング区分 単位 受講料
夏期スクーリング 1単位 6,000 円
体育スクーリング 1単位 6,000 円
実験スクーリング 1単位 6,000 円
夜間スクーリング 1単位 6,000 円
週末スクーリング 1単位 6,000 円
メディア授業 1単位 12,500 円

スクーリングには授業料の他に費用がかかります。スクーリングを増やすことはできますが、その分お金もかかるため、注意が必要です。

夏期スクーリング

8月上旬・中旬・下旬に3期間に分かれて実施されます。Ⅰ期・2期は横浜の日吉キャンパス、3期は東京の三田キャンパスです。

2025年度 実施実績

実験スクーリング・体育スクーリング

実験スクーリングと体験スクーリングはどちらも選択制で、夏期スクーリングと同時期に日吉キャンパスで行われます。

実験スクーリング

希望者のみ、物理学・化学・生物学の実験を行います。

体育スクーリング

希望者のみ、体育科目を4単位まで修得することができます。

夜間スクーリング・秋期週末スクーリング

短期集中型の夏期スクーリングとは別に、日数をかけて実施されるスクーリングが「夜間」「秋季週末」の2種類です。

夜間スクーリング

10月~12月の12週間の平日夕方に三田キャンパスで行われます。
曜日ごとに1科目受講となり、単位修得までに12週間かけます。

秋期週末スクーリング

10月の土曜日と日曜日に三田キャンパスで行われます。

メディア授業(映像授業)

慶應大通信でも映像授業を取り入れており、スクーリングのために東京や横浜のキャンパスに通学する地方在住者の負担を少し減らすことができます。

履修申告 授業視聴 レポート・小テスト 科目試験受験 総合評価合格 単位修得

基本的な流れは通学のスクーリングに似ていますが、試験は科目試験と同様に実施される点、そしてスクーリング単位として認められるのが10単位までという点に特徴があります。

メディア授業の進み方

実施時期・履修申告

春期:4月中旬 ~ 7月上旬
秋期:10月下旬 ~ 1月中旬

メディア授業は春期と秋期の2回開かれます。あらかじめ履修申告を済ませ、抽選で選ばれた人が科目の授業を受講できます。

小テスト・レポート・質問解答

授業は動画配信で行われ、好きな時間に何度でも視聴することができます。この期間中に、小テストとレポートがそれぞれ1回以上実施され、科目試験とともに成績評価の材料となります。

また、授業の内容に関する質問を行い、解答を受けることもできます。小テスト・レポート・質問解答は全てインターネットを介して行われます。

評価基準

科目試験を受けますが、成績は小テスト・レポート・科目試験の総合評価で行われます。これによって、単位修得が可能となります。

科目試験

特徴

メディア授業はスクーリング試験とは異なり、科目試験の形でテキスト学習と同様の試験を受けます。

また、テキスト学習と異なり、科目試験だけを何度も受けることはできず、不合格になると動画視聴分もやり直しとなります。

このように、学習自体のハードルは低いものの、科目試験においてはスクーリングやテキスト学習よりもやや厳格な形式を取っていると言えます。

実施時期

春期は7月のⅡ期科目試験の際に、秋期は1月のⅣ期科目試験の際に実施されます。

費用

メディア授業費用:1単位あたり12,500円

スクーリングと同様メディア授業も授業料以外の追加費用がかかりますが、メディア授業の場合は1単位あたり12,500円とスクーリングの2倍になります。

これは学費が安いという理由で通信制大学を選ぶ人にとっては特に注意すべき点です。交通費や滞在費と比較しながら検討したほうが良いでしょう。

単位数の上限

メディア授業で修得した単位は、10単位までをスクーリング単位として数えることができます。

例えば、1年次入学の学生はスクーリングで最低30単位を修得する必要がありますが、そのうち10単位をメディア授業によって修得することができます。裏を返せば、残りの20単位分は東京・横浜へ通い、対面でのスクーリングを受講する必要があるということです。

このように、最近増えている通学不要の通信制大学のようなものではないものの、通学の負担を減らすためには有効に使える手段と言えます。

卒業論文・卒業試験

慶應大通信では、卒業論文が必修です。卒業論文指導と卒業予定申告を経て、論文提出と卒業試験を受けることによって、卒業までたどり着くことができます。

卒業論文指導登録 卒業論文指導 卒業予定申告 卒業論文指導 卒業論文提出 卒業試験 卒業

卒論指導は春と秋の年2回行われ、最低でも2回の指導を受けた後に卒業予定申告ができます。半年に一回という頻度であるため、論文は一人で書き進め、指導はそのアドバイスという役割を果たします。

また、卒業予定申告は卒業の約1年前に行います。最短の場合は2回目の卒業論文指導で卒業予定申告書提出の許可をもらい、3回目の指導で提出許可をもらう、という流れになります。つまり、このプロセスをクリアするために最低でも1年半を要します。

卒業論文について

卒業論文指導登録

卒業論文指導を受けるためには、事前に登録が必要です。この登録は、一般教養にあたる総合教育科目を36単位以上・専門教育科目を7単位以上修得している段階で行うことができます。

卒業論文指導

卒業論文指導は春と秋の年2回行われ、卒業予定申告前に2回以上、申告後に1回以上行う必要があります。これが論文作成上のアドバイスとして機能する機会となります。

卒業予定申告・卒業論文提出

卒業予定申告は2回以上の卒業論文指導を受け、修得単位数とあわせて卒業の見通しが立った場合に、指導教員から申告書提出の許可を受けてから行います。
また、卒業論文提出は卒業予定申告後の卒業論文指導で、指導教員の提出許可を受けて行うことができます。

卒業試験について

卒業論文提出後に卒業試験が行われます。卒業論文審査と総合面接試問によって行われ、これに合格することで卒業資格を得ることができます。

まとめ

【大事なポイント】

・慶應大通信はテキスト学習が基本で、レポートの難易度が高め。

・スクーリングは東京と横浜のキャンパスで行われ、映像授業は10単位までスクーリング科目に数えられる。

・卒業論文は必修で、最低でも1年半を要し、一人で書き進めていく必要がある。

通信制大学の学習形式 解説