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【3%は本当?】慶應大通信の卒業率を計算・検証(最新5年公式データ使用・2026年版)

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「慶應の通信が卒業率3%って本当なの?どこの情報?」
「実際に卒業率を計算したらどうなる?」


数ある通信制大学の中でも卒業が難しいと言われる慶應大通信。

今回はこの慶應大通信について、よく言われている「卒業率が3%」という情報の根拠や、実際の卒業率の算出・検証を行っていきます。

実際にはどのくらいの人が卒業でき、どのくらい難しいのか。通信制大学選びの参考にしてみてください。

慶應義塾大学 通信教育課程の特徴

まずはじめに、慶應大通信の具体的な特徴や仕組みについて順番に確認していきましょう。

慶應大通信の概要と学部

福沢諭吉が創立し、私立大学最高峰として知られる「慶應義塾大学」が1948年に設置した歴史ある通信教育課程、それが「慶應義塾大学 通信教育課程」です。

現在の学生数は約7,500名と国内トップレベルの規模であり、名実ともに国内で最も質の高い教育を提供する通信制大学として知られています。
設置されているのは文・経済・法の3学部で、文系の幅広い専門分野が用意されています。

学部・学科一覧

  • 文学部:第1類(哲学等)、第2類(史学等)、第3類(文学等)
  • 経済学部
  • 法学部:甲類(法律学等)、乙類(政治学等)

※『類』は学問領域を示す分類です。

3学部へ集約された広大な学問領域

慶應大通信では「文・経済・法」の3学部に文系領域を集約させている点が特徴です。例えば、他大学の教育・社会学部などは文学部に、商学部は経済学部に含まれると言えます。

特に文学部は17もの広範な専攻を含んでおり、取得する学位も6種類に分かれています。
同学部では第1〜3類に入学後、専攻へ細分化はせずその類の科目を幅広く学習し、その後「卒業論文」を通じて具体的なテーマを掘り下げていく流れとなります。

【文学部の専攻領域】

  • 第1類:哲学、倫理学、美学美術史学、図書館・情報学、社会学、心理学、教育学、人間科学
  • 第2類:日本史学、東洋史学、西洋史学、民族学考古学
  • 第3類:国文学、中国文学、英米文学、独文学、仏文学

卒業までに求められる厳格な学習プロセス

慶應大通信では、「テキスト学習」「レポート」「科目試験」をメインとし、これに東京・横浜で実施される「スクーリング」を組み合わせて学習を進めます。
スクーリングで卒業単位に算入できる数には上下の制限があり、テキスト学習とスクーリングの双方を指定の枠内で満たさなければならないシステムが特徴です。

また、慶應大通信は「卒業論文」が必修であり、提出後には「卒業論文審査」と「総合面接試問」による卒業試験を経て、正式な卒業が決定する仕組みです。

編入学を含む全ての入学者は、在籍可能年数が「最大12年」と非常に広く設定されており、卒業までの一連のプロセスを長い時間をかけて進めていくこととなります。

「卒業率3%」って何の情報?

卒業率は「3%程度」と言われることが多い

前述のように、慶應大通信はレポート・科目試験・スクーリング・卒論などの学習面において高い難易度が設定されているため、通信制大学の中でも特に卒業するのが難しいとされています。

この卒業の難しさを説明するために、多くのサイトで「卒業率3%と言われる慶應‥」「一般に卒業率は3~5%とされ‥」といった表現がされています。

「3%」のデータとしての根拠は特にない

この「3%」という数字にデータ的な根拠はほとんどありません。
その他のほとんどの通信制大学と同様、慶應大通信も公式に卒業率を公表しておらず、この「3%」という数字は経験則や感覚に基づく表現と言えます。

入学者数が多いのに対し卒業者数は少なく、制度的にストレート卒業はかなり難しい点から、他の様々な資格合格率などとも比較して、「大体これくらいだろう」と考えられた数字です。

卒業自体は実際に難しいため異論を唱える人も少なく、通学課程とは異なり当事者が少ないため、多くの人がこの数字を使用しても特に否定されません。

「在籍者数 ÷ 卒業者数 = 3%」は誤り

また、複数のサイトで「在籍者数を卒業者数で割った値」が3%程度であることから卒業率を「3%程度」と表していますが、在籍者数は全学年の合計人数であるため、この計算方法は誤りです。

もしこの計算方法が正しければ、「入学者数が毎年同じ」で「全員ストレート卒業」する一般の4年制大学の卒業率が「25%」になってしまいます。

長期間での卒業は一定数いる

このように根拠が少ない数字であるため、「ストレートでの卒業率」を「3%」と言う人、「最終的な卒業率」を「3%」と言う人など様々です。

ストレート卒業は確かに難しいですが、卒業自体は毎年確実に一定数成し遂げられており、「絶対に無理」と言えるようなものではありません。

次の章では卒業者数をはじめ、各種学生データを紹介します。長期間を費やしてでも実際に卒業している人が一定数・一定割合存在していることを確認してみましょう。

気になる慶應大通信の卒業率は?

「その年に大学を離れた人のうち、卒業した人の割合」は、大学が公表している様々な学生データを集めることで計算することができます。これは「入学者全体を対象にした卒業率」とほとんど同じ意味を持つ数字と言えます。

今回はこの計算方法を使って、公表されている情報をもとに慶應大通信の実際の卒業率を求めていきます。

※(2026/7/28)入学者数等のデータを修正し、改めて卒業率等を算出しました。

過去5年間の公式データ推移

慶應大通信:過去5年間の学生データ

年度 入学者数 在籍者数 卒業者数 退学者数
2020年度1,3078,519217831
2021年度1,3498,820287756
2022年度9608,7373031,063
2023年度9708,3413051,038
2024年度1,0098,007295974
データ参照元

・ホームページ「データで見る通信教育部」

・公開資料「慶應義塾の活動と財務状況」(事業報告書)

・全国通信三田会「慶應義塾大学通信教育課程卒業生数推移」

(※上記各資料の過去アーカイブを含む)

慶應大通信が公式に開示している5年間の学生データを表にまとめました。退学者数については「入学者数」「在籍者数」「卒業者数」の比較によって算出しています。

コロナ禍で入学者数が増え、その後退学者数が増えるなどといった変動がありますが、卒業者数は大きく変動せず、200~300名程度で安定している点が慶應大通信の特徴と言えます。
また、在籍者数に比べて卒業者数がかなり少ない点にも、慶應大通信の卒業の難易度の高さが表れています。

それではこのデータを使って算出した、実際の卒業率を算出してみます。

実際の卒業率は何%?

実質卒業率
23 .2 %
当サイト算出
慶應大通信:当サイト判定

通信制大学の中で非常に低い

算出方法:[ 卒業者数 ÷ 離籍者数 ]

対象年度:2020年度〜2024年度

[ 卒業者数 ÷ 離籍者数 ]で求めた慶應大通信の実質卒業率は23.2%となりました。つまり、直近5年間で大学を離れた人のうち「23.2%は卒業し、76.8%は退学した」ということが言えます。
通信制大学は一般的に卒業するのが難しいとされますが、この23.2%という卒業率は、その通信制大学の中でも特に低い数字です。

一方、「卒業率は3%程度だろう」と思っていた人にとっては、予想以上に高い数字だと感じるかもしれません。
最短で卒業できる人はほとんどいませんが、長い期間をかけて2割以上の人は卒業しているとも言えます。

では、実際にどれくらいの期間をかけて卒業するのでしょうか。入学者数と在籍者数の数字から、平均的な在籍期間を考えてみます。

在籍年数はどれくらい?

滞留年数
7 .6 年
当サイト算出
慶應大通信:当サイト判定

通信制大学の中で非常に長い

算出方法:[ 在籍者数 ÷ 入学者数 ]

対象年度:2020年度〜2024年度

同じ期間で[ 在籍者数 ÷ 入学者数 ]の計算によって求めた「滞留年数」は7.6年となりました。
慶應大通信に入学した人は、中退者も含めておよそ7.6年程度在籍する事が考えられる、と言えます。この数字は、通信制大学の中で屈指の長さです。

この期間の長さから、「卒業率が非常に低いが早期退学者は少ない」「長い時間をかけて卒業を目指す人が多い」といった、慶應大通信の特色が見て取れます。

慶應大通信に入学する人は初めから長く在籍することを覚悟する人が多いため、たとえ卒業が難しくてもすぐにはやめない人が多いです。
これは大学での学びへの満足度が高いと言える一方、やめるタイミングを見失ってしまうリスクを抱えているとも言えます。

※「滞留年数」は入学する人が大体どのくらい大学に在籍することになるかを考える目安となります。入学者数が大きく変動する場合に実際の「在籍年数」と離れる可能性もありますが、今回は5年分の数字を使用しているので、大きくは乖離していないと考えられます。

最も卒業率が低いのは経済学部

文学部
卒業率
24 .6 %
当サイト算出
経済学部
卒業率
18 .6 %
当サイト算出
法学部
卒業率
27 .6 %
当サイト算出

同じ計算方法で、各学部の直近5年の卒業率を算出したところ、
文学部:24.6%、経済学部:18.6%、法学部:27.6% といった数字が揃いました。

法学部は近年卒業率が高く、3割弱の人が卒業しています。一方、経済学部は長い間3学部の中で最も卒業率が低く、法学部と比べて9ポイントの差をつけています。

文学部や法学部が典型的な文系学部である一方、経済学部は数学的能力や客観的な実証能力が求められ、テキスト中心の独学においては少し不利と言える性質があります。これが卒業率の差につながっていると考えられます。

卒業率は近年高めに推移している

慶應大通信 : 卒業率推移( 2010 – 2024 )

全体 文学部 経済学部 法学部
40 30 20 10 0 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 16.9% 16.6% 19.3% 20.3% 17.9% 20.7% 17.9% 18.5% 21.3% 16.3% 20.7% 27.5% 22.2% 22.7% 23.2%

各学部、及び全体の1年ごとの卒業率の推移をグラフで表しました。このグラフから、以下のようなことが分かります。

経済学部が常に最低を推移

前述の通り、経済学部はテキストによる独学に不向きである性質から、卒業率推移において常に差をつけて最下位に位置しています。

2021年に急上昇

コロナ禍の2021年は全学部で卒業率が上昇しました。これは社会人学生の学習時間が増えたことに加え、負担が大きいとされるスクーリングが全面オンラインで実施されたことや、科目試験がレポートに換わったことなどといった制度的な変更の影響が大きいとされます。

コロナ禍の臨時措置がもとの制度に戻ってからは再び卒業率は低下していますが、現時点でもコロナ禍以前に比べると比較的卒業率の高い状態が維持されています。今後この水準が維持されるか低下するかは不透明な状況です。

慶應通信の卒業率が低い理由

慶應大通信の卒業率がこれだけ低い理由を、簡単にまとめます。
卒業までに必要なプロセスについては以下の記事で説明しているので、参考にしてみてください。

そもそもテキストが難しい

慶應大通信の学習は基本的にテキスト学習が中心ですが、このテキスト自体がそもそも非常に難解である点が特徴です。分かりやすい噛み砕いた解説ではなく学術書のような形式であり、さらに科目によっては非常に古く読みにくい場合もあります。

また、レポートを執筆するには配布されるテキストだけでなく、多くの参考文献を読む必要があります。他の通信制大学と比較して、独学で求められる量が非常に多いと言えます。

レポートの合格難易度が高い

慶應大通信のレポートは合格するのが難しく、科目によっては何度も不合格になり返却されます。この難関なレポートシステムが、慶應大通信の低い卒業率を作る大きな要素となっています。

また、手書き作成や郵送提出が求められる科目もあり、すべてオンラインで完結する大学と比べると作成や提出の労力自体が多く求められます。

科目試験の対策が必要

科目試験はレポートに比べると合格難易度は高くないですが、厳格な論述式試験のために対策する時間を設ける必要がある点には注意が必要です。

また、科目試験は年4回・10都市程度で行われるため、限られた単位修得の機会のために、新幹線で移動して受験をしなければならないケースもあります。

スクーリングが東京・横浜のみ

慶應大通信のスクーリング(面接授業)にはいくつかのパターンがありますが、通学の際はいずれも東京・横浜のキャンパスに赴く必要があります。

「1年次入学の場合は30単位」などスクーリングで修得しなければならない単位数が定められており、地方在住者は新幹線や飛行機で移動し、ホテルに滞在して集中的に受講する場合が多くなります。

また、スクーリングは通学課程の教員によって、通学課程と同じ内容の授業が行われる点も大事な要素です。

映像授業での単位修得が限定的

慶應大通信はメディア授業という、映像を視聴することにより進めるオンライン型の学習形式も存在しますが、卒業に必要な単位のうちメディア授業で認められるのは10単位までとなっています。

また、メディア授業の場合は1単位あたり12,500円と、通常のスクーリングと比べて2倍の費用を要し、テキスト学習と同様の科目試験を受験する必要があるなど、他大学におけるオンライン完結型の映像授業と比べてハードルの高いシステムとなっています。

卒論を一人で執筆し厳格な審査を受ける

慶應大通信では卒論が必修であり、卒業するためには「卒業論文指導」「卒業論文提出」「卒業試験」等の流れをクリアする必要があります。卒論指導を受けなければならない回数が決められているため、最低でも1年半の期間を要するシステムとなっています。

卒論は通学課程と同様に厳格な審査が行われるのに対し、卒論指導は半年に1回であるため、研究と執筆は基本的に一人で進めていくことになり、卒業に至るまでの大きな壁となります。

卒業するために必要な工夫は?

卒業の難易度はたしかに高いですが、毎年一定数の卒業者数が生まれています。
有効に学習を進めて卒業まで到達するための工夫・方法を紹介します。

心理的ハードルを下げ、逆算型でスケジュールを管理する

孤独に学習を進めていくことを早めに受け入れ、レポートは不合格となることを前提として取り組むなど、心理的なハードルを下げることで挫折を防ぐことができます。

また、単位修得のための「レポート提出」「科目試験」から逆算してスケジュールを組み、学習に取り組むことが大事です。

学習スタイルや方法を早めに確立させる

「毎日学習する時間を作る」「レポート作成と科目試験対策の時間配分を身につける」など、独自の学習スタイルを早めに確立させることが大事です。

参考文献の集め方やレポートの書き方など学習上の手法に関しても早めに修得することで、卒業に向けた学習を軌道に乗せることができます。

コミュニティや情報サイトを参考にする

慶應大通信の学生による公式の団体として「慶友会」が全国に展開しています。独学を基本とする学習において、このようなコミュニティに参加して情報を集めることが重要な機会となります。

また、有志の在学生や卒業生によって運営されている「慶應通信Wiki」などの情報サイトも充実しているため、学習を進める上でこれらを参考にすることが有効です。

テキスト読解にAIを取り入れる

「テキストの裁断」や「スキャンデータをAIに読ませる」と言う方法は、私的使用の範囲内であれば問題ありません。慶應大通信のテキストが難解であるために学習が滞ってしまうことを避けるために、テキスト読解においてAIを使用することが有効と言えます。

テキストの裁断、自動スキャンとOCR(文字認識)処理を経て、AIに要約や解説を指示することで、独学でのテキスト学習のハードルを下げることができます。

【まとめ】後悔のない大学選びを

最後にこの記事の重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。

【大事なポイント】

・慶應大学の通信は長い歴史と多くの学生数を抱え、広い学問領域や厳格な学習プロセスが大きな特徴

・「卒業率3%」には根拠が特に無く、実際の卒業率は23.2%

・卒業までの道程は険しいものの、各自の努力と工夫によって卒業を目指すことは可能

慶應大通信は卒業までの道のりが険しいですが、卒業によって得られるものも大きいです。自分の目的や興味・関心と向き合いながら、冷静に通信制大学を選んでみてください。